ALS(筋萎縮性障害)の方が安楽死を希望し、
ネットで依頼を受けた医師が、謝礼を受け取って、患者さんを死に至らしめた、という事件が起きました。
安楽死の問題については、厳格な手続の上に、法令上、認めるている国がある一方、
日本では、安楽死という概念自体を認めていません。
今回のケースが、例えばオランダなど安楽死を認めている国の基準にかなうものかどうか、
その点は不明ですが、
個人的には、安楽死を否定しない考えを持っています。
それでも、ひとつ、忘れられない話があります。
ALSを煩った方が、全身の筋肉の機能を徐々に失っていき、
遂に、眼球しか動かせない、という状態になりました。
でも、その方は、目の動きを文字入力に変換できる機器を使い、
自分の思いや考えや物語を、自由に表現しており、
インタビューに答えた彼は、
『今、本当に自分は幸せだ。』と。。。
『心からそう思う。』と、答えていました。
ただ、その後、ALSの進行により、瞼さえも動かなくなる可能性を控え、
『全くの暗闇で自分の考えも、一縷のコミュニケーションも出来ないなら、発狂してしまうかも知れない。』
『だから、その時は、安楽死を望むかも知れない。』
と発言されていました。
その物語をテレビで見たとき、大きな衝撃を受け、人の一生と幸せと、
肉体の存在や、自己表現と生きる意味についてなど、
様々なことを考えた記憶があります。
その患者さんがその後どうなったのか分かりませんが、
たぶん、私にとっては一生、忘れられないエピソードとなっている気がします。
Taichi