海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

小さな決意

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井の頭線渋谷駅とJRを結ぶ連絡通路に、巨大な壁画があります。

https://www.asunoshinwa.or.jp/introduction/

強烈な色使いと抽象的な図柄、そして鬼気迫るようなタッチの力強さには、

他の作品の追随を許さない生命力の躍動を感じます。

2025年には大阪万博が開催されますが、前回1970年の大阪万博で公開された「太陽の塔」の作者でもある岡本太郎さんは、

現代科学の進歩に強烈に抵抗し、人々の心の家畜化に警笛を鳴らし続けた偉大な芸術家です。

https://taiyounotou-expo70.jp/


私が子供の頃は「芸術は爆発だ」とテレビで叫ぶヘンなおじさんだったのですが、

物心ついた時から何故か、渋谷青山通りにあった、太陽の樹、と言う作品に興味を持ち、

それからことあるごとに、少しずつ彼の作品や思想に魅せられて、

今では最も影響を受け続けている人物の一人となってしまいました。



何事に対しても、心の躍動と表現を大切にする岡本太郎は、

「芸術は決意から始まる」と言いました。

何かを始めるにはもちろん決意が必要ですが、

個人個人の内的な体験を表に出すと言うことは、さらに、恥ずかしかったり、ためらわれたりするものですし、

日本の社会はとかく、何かを始める人の足を引っ張りがちですから、

才能があるのに決意せず、そのまま人生を終えてしまう人も多いのかも知れません。


ただ、どんな人生でも、あらゆる周りの雑音を覚悟しつつ何かを始めた後は、

結果がどうであろうと、静かな満足感と新たな感覚を得られると思いますし、

太郎の生きた時代より、そういった決意をする人が明らかに増えてきていると思います。


占星術の世界で叫ばれる、2000年来の魚座時代の終焉が本物であれば、

縄文文化を愛した岡本太郎の魂の叫びが、日本人に本当の意味で理解され浸透していき、

個人個人が、小さな決意とともに試行錯誤を重ねながら、何らかの形で表現をすることが、

生きるための直接的な糧となる時代が来るのかも知れません。


55年の時を経て再度開催される大阪万博には、

岡本太郎なるものの決意が、怨念のように影響し続けている気がしますし、

前回の万博で造られた全ての展示物が既にこの世から消滅しているのに対し、

太陽の塔だけはここまで生き残って来れたのも、決して偶然ではないと感じています。




Taichi