海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

深い溝

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今、世界で起こっていることを理解するには、19世紀アメリカの南北戦争を理解しなければいけません。

南部綿花地帯の大地主が、綿花産業の利権を守るため、自由貿易奴隷制維持を、

北部産業地帯が、産業革命直後の国内産業を守るため、保護貿易奴隷制反対を、

それぞれ主張して始まったのが南北戦争です。

そして、このときの南部人が中心となって発足したのが今の民主党
北部人が中心となって発足したのが今の共和党です。

敗北した南部民主党は、急速な工業化により大量に必要となった労働者確保に目を付け、

欧州やアイルランド、さらには中国からの大量の移民を支持者とする政策に転換しました。

一方、当初の民主党支持基盤である中西部の農民達は、

新移民のめざましい活躍(アメリカンドリーム)に怯えて共和党に鞍替えし、

KKKなどの移民敗訴運動を活発化させたのです。



このような経緯で、

民主党=移民促進(そもそもは奴隷制維持)・グローバリズム

共和党=白人主義(そもそもは奴隷制反対)・保護主義

の原型が完成したのです。



時は流れて21世紀、
ウォール街を中心とするグローバリズムによって貧富の差は拡大し、

世界中の低所得者層の奴隷化が実現しつつあったところ、

米国では、中流階級の没落により不満は鬱積して移民敗訴運動が高まりました。

そこで、保護主義による国内産業の復活を掲げる共和党トランプが登場し、

伝統的な保守勢力(ワスプ)として白人至上主義を貫きつつ、

ウォール街を中心とするグローバリズムにメスを入れ、中共の人権問題に対しても戦う姿勢を明確にしています。



そもそも、南北戦争では、第二次世界対戦の米国戦死者の倍を超える30万人が亡くなっており、

米国人にとってその対立の過去は、国家の分裂も辞さないほどの深いトラウマだと言えます。

言い換えれば、今の米国内の内戦状態は、南北戦争以来の深い溝が表面化したものであり、

また、産業革命以来、米国を拠点としてきた国際金融資本と軍産複合体の暗躍も相まって、

歴史的な勢力の交替を見据えた世界的な動きに発展しているのです。



グローバリズムと国際金融資本(ウォール街)の暗躍と戦争の歴史については、また、次回にお話ししたいと思います。




Taichi