— Taichi Fujikawa (@TaichiFujikawa) 2020年9月11日
「もしも中国がいつの日か変節し、超大国となり、しかも世界の覇権を握り、そこらじゅうで他国をいじめ、他国を侵略し、他国から搾取するようになったら、」
「その時には、世界の人民は、中国のことを"社会帝国主義だ"と非難し、中国の悪事をあばき、中国に反対し、そして中国人民と協力して中国を打倒すべきです。」
これは、1974年の国連総会における、中国の宰相、鄧小平の演説です。
当時の超大国である米国とソ連を第一世界、アジア・アフリカ・中南米の発展途上国を第三世界、両者の間の国々を第二世界と呼び、
第三世界に属する中国は、永遠に超大国とはならず他国を侵略せず、弱いものの立場で連帯して闘争し続け、世界の進化に寄与することを誓ったものです。
日本の高度成長期にあたる冷戦の真っ只中で、米国とソ連を名指しで非難し、
地球における帝国主義の性を明確に説いた上で、
当時の中国を含む第三世界の採るべき連帯と闘争への勇気を喚起した、歴史的な大演説。
この演説のすぐ後、1978年に中国は、鄧小平の指導の下、改革開放路線に舵を切り、
市場経済を操る社会主義国という、矛盾に満ちた実験国家の道をばく進して行きます。
時は流れ、約40年後の現在、彼が半ば預言したとおり、中国は超大国として君臨し、
米国との対立の中で、世界を揺るがす存在となりました。
残る最後の米国も、ナショナリスト・トランプの出現により、遂にその座を明け渡すかに見えるなか、
彼の預言どおり、中国共産党も、中国人民と世界の人民によって打倒されていくのか。。。
何れにしても、鄧小平とは、自国の民を飽くなき闘争の末にまとめ上げ、繁栄に導いただけでなく、
この世界の歴史と潮流を正確に把握した上で、
人類の進化のために、自ら創り上げた国家体制の全てを失うことも厭わないと宣言した、
不世出の大天才であると感じています。
彼が言うように、帝国主義を標榜する超大国が必ず滅びる運命にあるとしたら、
その超大国にすがりついて生きてきた日本は、これからどうやって歩んでいくのか。
彼の演説の中に、その答えがあるような気がしています。
Taichi