海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

やさしいこと

NHKの「みんなのうた」でもお馴染みの、特徴的なタッチの少女を描くことで有名な、中島潔さんという画家さんが居られます。

彼の言葉に、いつまでも忘れられないものがあります。


10年くらい前だと思うのですが、教えて先輩と言う、これもまたNHKかな?の番組のゲストが中島さんでした。

出身の小学校で、後輩の小学生に講義するという体の番組なのですが、

ちょうどその時、中島さんは、清水寺に『大漁』と言うふすま絵を奉納し、

なおかつ、癌を患って克服しかけていた時期でした。


そのようなプロフィールを一通り説明した後で、子供達に向かって、

『君たちの中には、力の強い子も、弱い子もいる。頭の良い子も、そうでない子もいる。でも、これだけは、絶対に覚えていて欲しい。』

『やさしい、と言うことが、とにかく一番強いんです。どんな境遇になっても、どんな人生でも、絶対にそれは変わりません。』

と言うようなことを発言されていました。


月並みと取れなくも無い表現ですが、テレビに映る中島さんの眼差しと静かに語りかける言葉には、

人生の核心のど真ん中をまっしぐらに付いてくるような、強烈なパワーがありました。

リンク先にある『大漁』の目の一つ一つに、魂を込めて命を懸けて描いたとも発言されていました。



それから後、清水寺の『大漁』を、いつかこの目で見たいとずっと思っているのですが、

まだ、そのチャンスには恵まれていません。



Taichi