身体の不調が、実は、怒りから来ていることがよくあります。
腰痛は怒りだ、という本がベストセラーになったことがありますが、
些細なことで、人は怒りを感じるものの、大概の人は、怒りを外に出しませんから、
抑圧された怒りが一定の臨界点を超えることで、身体は不調を訴えるようになります。
したがってまず、自分で怒りを認識して、
それを表現することを許可する。
スポーツでもダンスでも、発散する意識をもって怒りを表現すると、
身体の不調は消滅していきます(一人でやることをお薦めします)。
怒りのベールがはがされると、その下には大概、悲しみがあるものです。
すぐ怒る人ほど、傷つきやすいというのは真実です。
悲しみは、怒りより深い感情ですが、
認識され理解された悲しみは、少しずつ癒されて行くのも事実です。
そして実は、もっとも厄介な感情が、憎しみです。
なぜなら、人は必ず、憎んではいけない人を憎むものだからです。
つまり、その人がいなければ生きていけない人を、人は憎むのです。
父や母、夫や妻、上司や権力者など。
だから人は、生存のために、憎しみを完全に抑圧してしまうのです。
多くの人はその存在にさえ気づかずに、抑圧された憎しみにより、人生を台無しにしてしまうのです。
人々の抑圧された憎しみを、為政者はヘイトスピーチや、ひいては、戦争にまで利用することもあるくらいなのです。
では一体、どうしたらよいのか。。。
憎しみには、必ず依存が付きものであることを、まず、知らなければいけません。
人は、依存対象を憎むのです。
中学生の男の子が父親を憎むのも、妻が暴力夫を憎むのも、そこに社会的・精神的な依存があるから、ことはそう簡単ではないのです。
ただ、認識さえ出来れば、高い山の五合目まで制覇したようなもの。
あとは、現実に合わせて、一つ一つ対処していくしかありません。
時機を見て行動することだけが、依存関係を断ち切り、昇華していきます。
コロナで離婚した夫婦や、破綻した親子関係などの裏には必ず、依存関係が生じていたはず。
そこに、少しの理解があれば、ことは違う展開を見せたかも知れません。
あの、聡明で純粋な俳優さんも、自ら死を選ぶこともなかったかも知れません。。。
感情のメカニズム。
本来は、義務教育で、万人が理解すべき事柄と考えています。
Taichi