海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

不安との付き合い方

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人が抱える感情で、最も曖昧でありながら、結構厄介なものに『不安』が有ります。

自分でも捉えどころの無い『不安』は、人の肉体にも様々な悪影響を与えますし、

そもそも漠然とした『不安』を抱えるのは辛いものです。

そんな『不安』との付き合い方で、最も効果的だと思える方法があります。

それはアウトプットすること。

アウトプットとは、行動や会話や紙に書き出すこと、これが最も効果があります。

多くの不安は、人が未来を思うときに発生しますから、その原因が明らかになっているとき、

例えば仕事や恋愛や健康の不安は、その不安にまつわる具体的な行動を起こすことで、

意識が目に見えない妄想にフォーカスされるのを防ぐとともに、

現実的に自分が出来ることに集中することで、うまく行けば未来を変えられますし、

そうでなくとも、やれることはやったと諦めも付くようになります。

一方で、本当に困るのは、自分でも原因が分からない不安が有る場合。

もし、信頼して話せる人がいる場合は、時間を取ってもらって話すことで、

モヤモヤした不安は、ただ、聞いてもらうだけでも、確実に軽減されていきます。

でも、なかなか、相談できる人もいない、そして原因もよくわからない、

そんな時には、騙されたと思って、ノートに書き出したり日記をつけることを強くお薦めします。

不安や恐怖にまつわる脳内のストレスホルモンは、具体的に文字に起こして言語化することで、大きく軽減されることが分かっています。

原因が分からなくても、自分の不安な状態をただ、書き綴っていく、

そして、そんな暗い気持ちの中でも、一つでいいから良かったことを最後に書いて終わりにするのがルールです。

多くの精神科医も、この様な日記を推奨しており、このことは、負のループに陥りがちな思考を客観化させ、

さらに、最後にポジティブな面を捻り出すことで、認知の改善も認められると言います。

話は少し変わりますが、そもそも人間の『不安』やその延長線上にある『恐怖』が厄介なのは、

原始時代の人の機能に端を発しているからだと言います。

原始時代の人は猛獣に出会ったとき、生命の危機にさらされる事から、

不安や恐怖の感情と共に脳内に発生するノルアドレナリン等のストレスホルモンによって、

全身が戦闘モードに瞬時に変化し血流を増大させて、『闘争』か『逃避』かを選択するという機能を発達させてきました。

つまり、『不安』は、生命の危機に際して瞬時の行動を促すガソリンのようなものだったわけです。

それが現代では、そのような直接的な生命の危機がほとんど無くなったにもかかわらず、

長年発達させてきた機能だけは残存しているために、様々な不具合を起こしてしまうことに成ったわけです。

大切なのは不安や恐怖が、瞬時の行動を促す『ガソリン』だと言うこと。
 
多くの場合、現代人の失敗は、このガソリンを体の中に溜め込んでしまったり、

逆に、過去の機能そのままに、冷静さを欠いて破滅的な行動を取ってしまったりすることから生じます。

したがって、現代人はこのメカニズムをよく理解した上で、

不安や恐怖を感じたら、自分を実況中継するように言語化したり、他人に相談したり、

さらには冷静な思考を挟んで前向きな行動をしたりすることで、

ガソリンを燃焼させることが必要だと言うことなのです。

ただ静止して悶々と考えたり、不安に意識をフォーカスし続けることは、文字どおり、火に油を注ぐようなもの。

もし、そんな状態にある自分を見つけたら、『不安や恐怖は、アウトプットを促すガソリン』

これを合言葉にして、現実に対処し自分を育て訓練していくことで、

繊細な人も想像以上に強くなることが可能です。

そして実は、そのような繊細な人、危機に敏感な人こそが、

長い地球の歴史で生き残ってきた人類の進化の結晶でもあるのです。




Taichi