海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

宰相の器

官房長官が出馬会見を行いました。

秋田の農家出身の苦労人の演出は、如何にも自民党が菅さんのために作りそうな演出ですが、

気になったのは、記者が
「安倍さんの会見と間違うほど、路線を継承しているようですが、菅さんの独自性は何も無いのか」
と質問した時でした。

いつも冷静な菅さんが、明らかに怒りをにじませた上で、
「とにかく目の前のコロナ対策をしっかり行っていく。」
と回答。
内容もさることながら、その程度の記者の煽りですぐに顔に出てしまう敏感さに、行く末の不穏なものを感じました。


参謀役と言うのはトップの陰で守りを固め、かつ、組織の動きに敏感に対処する繊細さと抜け目のなさが求められます。

その点、約8年にわたって安倍政権を支え続けた菅さんは、非常に優秀な名参謀でありました。


一方、トップに座る人間は、敵であった人間でさえも取り込むような人間的魅力とユーモアが絶対に必要であり、

参謀役とは違って、常に敵味方の矢面に晒された上で、のらりくらりと攻撃をかわす懐の深さが求められると思います。

その点、横浜市議の時代からの、草の根的な政策の苦労話を語る勤勉実直で繊細な菅さんが、

激動の世界情勢のなかで、しっかりと立っていけるのか。。。

政策の失敗と言うより、健康問題や人気の点で、明らかに不安要素が強いのではないか、そんな気がしてなりません。


いずれにしても、アベノミクスを継承すると言うことは、ジェットコースターの頂点までゆっくりと確実に登り切るまで、

根本的な成長戦略を立てずに、変わらずお金だけをジャブジャブと市場につぎ込むわけですし、

菅さんを押した二階さんの国土強靱化計画も幅広い関連株を押し上げるでしょうから、

経済はファンダメンタルを全く無視したバブルに突入する可能性も出てきました。


今回の会見でも、何故か触れられなかった米中関係の行方にもよりますが、

日本は根本的な問題解決をまたもや置き去りにしたまま、

今だけ金だけ自分だけの選択をしてしまうことになりそうです。




Taichi