海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

シリア難民のこと

シリア難民の現状を映したNHKの特番を見ました。

ちょうど11年前に仕事でカナダに赴任していたとき、近所の図書館に英語を無料で教えるボランティアグループがおり、そこにはシリア移民の方も居られました。

カナダは移民受け入れの最先進国ですが、それでも、例えばシリアでお医者さんだった方が、カナダではタクシー運転手をして生計を立てるしかないなど、

当時の記憶でも、いろいろな理不尽を感じていました。

でも、改めて今日の番組を見て、正直、ショックとやりきれない思いを感じ、このブログを書いています。

番組のことはネットで見れる方も居らっしゃると思いますから、興味のある方は是非見ていただきたいと思います。


人の不幸の形は千差万別であるが、逆に幸福の形はビラミッドの頂点のように一つだけだと言われます。

でも、内戦と凄まじい貧困の中、人身売買やコロナ禍にまでも苛まれ怯えながら、

弱いものが更に弱いものを叩き、限界を超えた災禍を一身に受けている人々を見ていると、

日本人が不幸と呼ぶものは千差万別でも、世界で起きている悲劇の形は一つなのではないかと思いました。

つまり、貧困から精神を圧迫された者が、更に弱い女性や子供を傷つけ連鎖していく憎悪と暴力の悲劇です。

ある子供の祖父はその状況を世界に知らせたいと焼身自殺を図り亡くなりました。

また、ある子供の兄はさらわれて、おそらく臓器を取り出され、四日後にゴミ箱で遺体が発見されました。

それらの事実を語る幼い少女の眼差しは忘れられません。


シリアの内戦は、詰まるところ、ロシアとアメリカの代理戦争です。

ロシアやイランが体制側のイスラムシーア派を、アメリカやサウジが反体制のスンニ派を支持して、

一次はIS国も巻き込んだ血みどろの争いとなりました。

そして、正に去年の10月、米国トランプがシリアから撤退を決定したことで内戦のバランスは崩れ、

増加した難民は隣国に押し寄せ更に貧困が増したところに、コロナの渦が押し寄せたのです。


誤解を怖れずに言えば、アメリカ民主党を主な権力システムとして機能していた軍産複合体が、

自らの利権のために武器を売って戦争を始め、アメリカの内紛によって今度は戦争から手を引こうとしているために、

世界中で貧困と憎悪と暴力の連鎖が起こっていると言うことです。


日本はコロナウイルスによる影響を最も受けなかった国の一つです。

それでもこれから国内で、同じような貧困と暴力の連鎖が起こる可能性があります。

それどころか、既に女性や子供へのDVは増加の一途をたどっています。

大げさですが、今もこれからも、きっと地球は哀しみの青い星に過ぎません。

どれだけ美辞麗句を重ねても、きっと簡単にこの状態は変わらないでしょう。

これまで何度も同じような気持になったことはありましたが、

そもそも一介のサラリーマンに過ぎない私に出来ることはあまりありませんでした。

でも今は、仕事やプライベートやコロナ禍など、諸々のタイミングで、人生の転機を迎えていると感じています。

江戸時代なら既に隠居する年齢に差し掛かって居ることもありますし、

心の底から突き動かされるものに、そろそろ正直に関わっていっても良い年頃だと感じています。

ですから、出来ることからですが一つ一つ、具体的なアクションを起こしていこうと誓いました。

この件については、また追々、取り上げていきたいと思います。




Taichi