世の中に存在する物を切り取って保存しようとすると、例外なく、価値が下がったり消滅したりする方向に向かいます。
食べ物はすぐに腐りますし、物も年月の経過で崩壊していきますし、もちろん人間の体も死に向かっていきます。
また、自然の事物も、例えば山の一部分を切り取れば性質は変わり崩壊していきますし、川の水も流れを失えば腐敗していきます。
万物は流転して、一つにまとまったエネルギーは必ず元の一様な状態に戻っていくなかで、唯一の例外は、お金です。
お金だけは何故か、銀行に預けると金利が付いて価値を増していく仕組みなのです。
我々は、金利を当たり前のこととして受け入れていますが、実はこの金利の存在が、今の世の中の全ての不合理・不条理に繋がっているとも言えます。
お金には交換機能と貯蔵機能がありますが、交換に使うだけなら金利を乗せる理由はどこにもありません。
逆に、一定期間使用しないと価値がなくなるという、買物券のような交換機能だけの通貨導入も議論されているくらいなのです。
今のようにお金をジャブジャブ刷っても景気は好転せず、株や不動産などの資産バブルが生じて益々貧富の格差が開いていくという諸悪の根源は、
お金の貯蔵に伴って価値が増えていくという矛盾に満ちた貨幣システムにあるとも言えます。
日本で初めて流通した通貨である和同開珎の時代には既に金利についての議論があったとされていますが、
そもそも金利システムは、物物交換のための証書を発行していた(金庫)業者が、余った証書を貸し出して儲けるために創られたと言われています。
旧約聖書で禁じられている金利を敢えて利用して金融業を発展させたのはユダヤ人で有る、というのは有名な話ですが、
金利というのは、考えれば考えるほど、道理の立たない、巨大な詐欺システムではないかとさえ思えてきます。
来たるグローバルリセット後の世界において、どこまで正当なシステムが新たに開発されるのか、
我々の子孫が活躍する地球の未来数千年の歴史が歪められてしまわないように、
自然の道理に基づいて起きていることをよく観察し理解して、権力を監視していく必要がありそうです。
Taichi