海亀のつぶやき

ロスジェネ世代の言葉とチャレンジ

メタバースとメタ認知

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メタバース社会の到来。

今のところ、ゲームの世界のようにゴーグルをつけて、好きなキャラクター(アバター)を選び、

現実とそっくりに創られた渋谷や秋葉原の駅で、様々なサービスや展示やコミュニケーションを受け取れる遊びの空間に留まっています。

でも、10年後には、自分そっくりの容姿と性格と能力を(AIで制御されたうえで)備えたアバターが、

同時に4つとか5つとかのメタバース社会で活躍する、

それぞれの社会から報酬を得る世界がやって来るそうです。



『メタ』と言えば、心理学などで『メタ認知』と言う言葉が使われます。

現実において、例えばネガティブな感情に苛まれたとき、

自分を3メートルくらい上方から客観視して、

現実を俯瞰して、新たな気づきを得る場合に使われたり、

いわゆる『マインドフルネス』な状態を指したりする言葉です。


つまり、現実(メタ認知)とメタバース社会の違いは、気に入らない現実を『気の持ちよう』によってくぐり抜けていくか、

現実を捨てて(リセットして)、好きなアバターと環境を選んでスタートするか、の違いにあるようです。




仏教にあるような、『輪廻転生』の考え方を基にすると、
 
人は生まれ変わるごとにそれぞれの課題にあった環境を選んで、

現実のいろいろな経験によって、執着を解いて進化(解脱)していく、という価値観がありますが、

メタバース社会を自由に選んで同時並行的に生きていくことが出来る社会においては、

これらの価値観に基づく『経験値』や『成長』や、ひいては、ままならない現実を共に生きている者に対する『思いやり』が、

軽視されることに懸念を抱きます。



とは言え、何事も、悪い面と良い面を持ちますから、たった今の現実世界に生き辛さを感じている人が、

メタバース社会において自分の分身を得ることで、その中で楽しみや癒しを得て、

場合によっては、バーチャル世界における仕事によって報酬を得、

結果として現実ではなし得なかった成長を遂げると言うこともあるかも知れません。



結局、個人個人がどう現実の人生を捉えていくか、どう人生を選択していくか、

その事だけが益々重要になっていくのは間違いなさそうです。



Taichi